今日は、日本時間の18:45からノーベル物理学賞受賞者の発表があった。
仕事を定時で終え、帰宅してネットでのライブ配信を見る。去年も同じようにライブ配信を見ていたことを思い出した。梶田先生の受賞を聞いた時は、かなり興奮したと思う。
ノーベル賞のような国際的な名誉賞について、その発表がネットでライブ配信されるなんていい時代になったものだ。ぼくが学生の頃にはまだ考えられなかったような気がする。社会人になって、テレホーダイを使ってインターネットへの接続を行っていた時期もあったが、その頃だとライブ配信というのはまだ考えられなかったな。
ぼくは物理学科だったので、毎年の物理学賞について非常に関心を持っている。最近は物理以外での日本人の受賞が大きくニュースなどで取り上げられるので、そちらも少し注意したりすることもあるが、やはり好きなのは物理だ。社会人になってから物理からだいぶ離れていたが、5〜6年前からネットでemanの物理学やとね日記を見るようになり、趣味で物理を勉強している人も少なくないことがわかった。朝日カルチャーセンターでの大栗先生の講座を受けてから、また物理の本を再読するようになり、とね日記のとねさんとも知り合いになって、物理と触れ合うようになった。
さていよいよ発表。
今回の受賞は米国の3先生で、トポロジカル相転移に関する理論的研究に贈られた。
David J. Thouless
F. Duncan M. Haldane
J. Michael Kosterlitz
おめでとうございます。
Thouiess-Kosteritz転移というのは、1970年代に提唱された理論のようで、この二人に先立ちBerezinskii博士も統計力学の2次元XY模型で提唱している。この理論の検証については、ヘリウム4の超流動薄膜や冷却気体のボーズ・アインシュタイン凝縮で実験的に認められているらしい。
Haldane先生は英国生まれで、凝縮系物理では非常に幅広い基盤的研究で、成果をあげられているようだ。
今年は重力波の観測が話題になったが、やはり去年が宇宙関係、一昨年が物性関係だったところを見ると、今年は物性関係の受賞になったのは慣習通りになったように感じる。トポロジカル相転移については、2年前のノーベル賞発表時期にも話題に上ったらしいが、その時はあまり関心を持っていなかった。
そもそも学生の頃は物性はそれほど興味のある分野ではなく、宇宙論や素粒子論に憧れていたので、こうした相転移などの現象はほとんど勉強していない。しかし、再び物理の勉強をし始めた今では、物性分野も非常に興味を持って勉強している。もっと学生時代に量子力学を勉強するべきだったなと悔やまれるが...。
まあ、今年のノーベル物理学賞がこういう分野だったからというわけではないが、物性物理ももう少しアンテナをはってみたいと思っている。
話は変わるが、昨日の医学・生理学賞では東工大栄誉教授の大隅良典先生が受賞された。日本人の受賞が3年連続になったわけだ。日本の科学もだんだん世界に認められるようになったということだろうか。おめでとうございます。
リンク
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2016/announcement.html