昨夜の23:00(JST)から、LIGOの観測について発表があった。LIGOでの重力波の観測は、先頃のノーベル賞受賞の発表で、物理学賞に選ばれたばかり。このタイミングで発表会見があるというのは、またかなりすごい発見があったのではないかと予想されていた。
大半の予想は、やはり中性子星同士の衝突による重力波を捉えたのではないかということだったが、昨夜の発表ではまさにその内容であった。中性子星の衝突といえば、去年の暮れに東大の伊藤謝恩ホールで行われた物理学会主催の一般講演会を思い出す。一般相対性理論と宇宙というテーマで、3人の先生のお話を聴いたが、京大基礎物理研の柴田先生が、中性子星の衝突による重力波がまだ観測されていないので、非常に興味があると話されていた。中性子星の衝突では、ブラックホールでは見られない新星の爆発と鉄より重い金属の生成過程が調べられると話されていたと思う。その現象が約1年後になって、観測されたのだから、もうこの世界の進み方は非常に早いと感じている。21世紀に入って、どんどん新しい技術で20世紀には考えられなかったような、観測事実を積み上げている。
毎度のことながら、こうした情報をリアルタイムで得られる時代になり、なんていい時代になったのだろうかと実感しているが、それとともに英語のリスニング力の乏しさで、本当に損をしていると感じた。今回は、重力波の観測と同時に、X線やγ線などの電磁波を観測しており、多くの研究機関がこの現象を捉えていたとのことである。会見では2回のセッションに別れ、1回のセッションで10人くらいのパネラーというか発表者が登壇されて、それぞれの立場からこの現象について述べられていた。しかしながら、自分の英語の理解力で半分も内容が理解できなかったのではないか。とにかく情報が多いのと、日本語でも多分消化不良を起こしたのだろうと思われるような内容だったため、もっと英語が理解できればと悔しい思いをした。
中性子星同士の合体による重力波も観測され、それと同時に様々な研究機関の様々な観測結果がその現象について得られている。これからは、マルチメッセンジャー天文学の時代だという話だが、いろいろな角度から得られたデータを組み合わせて、一つの現象をより深く理解することができるようになって来るだろう。ますます進化する観測技術と今後の天文学、天体物理学の発展が楽しみだ。素晴らしい時代になったなあとちょっと感動...。
この結果は
Physical Review Letters
で詳細が発表されている。論文を少しじっくり読んでみたい。
それにしても、いつも物理の情報を提供してくれるとねさんはさすがだ。今日の早朝、もうとね日記に昨夜の発表について記事が投稿されていた。すごすぎる!
重力波、中性子星で観測...重い元素の誕生解明
僕ももっとわかるようになりたい、勉強しよう。