今年もノーベル賞の受賞者が発表される時期になった。最近はリアルタイムでネット中継が見られて、とても便利な世の中になったものだと思う。ここ数年は、ノーベル財団のサイトでの発表の様子を動画で見ており、毎年この時期を楽しみにしている。
僕は物理学科出身なので、特に物理学賞に興味を持っているが、ここ最近日本人、日系人の受賞が結構あり、他分野にも少し興味を持ち出して来たところか。とはいえ、中継を見るのは物理学賞の発表の時である。
今年は、ほぼ予想通りというか、かなり大きな話題にもなった重力波の観測に関して、3人の先生方に物理学賞が与えられた。去年の初めにLIGOがブラックホールの合体による重力波を観測したという発表を聞いてから、これまでに3回の発表を聞いたと思う。この時は非常に印象的で去年、ひょっとしたら重力波で受賞があるのではないかと噂までされていたが、やはりこれまでの慣習通り、今年まで持ち越されたようだった。しかし、重力波なんて僕が学生の頃はまだSFの世界の話のように感じたが、21世紀に入ってからの技術の進歩は、学生時代に夢だったことが次々と実現していて、すごい時代になったものだとしみじみ感じている。
今年のノーベル物理学賞の受賞者は、
Rainer Weiss (MIT)
Barry C. Barish (Caltech)
Kip S. Thone (Caltech)
の3人の先生方、おめでとうございます。
理論物理に興味がある僕としては、やはりKip Thone先生がイチオシというか魅力のある方だ。Hawking先生との賭けの話、映画「インターステラー」の監修をされている話、あとは、あの非常に分厚い「重力理論」という教科書。学生時代に図書館でみたあの大きな教科書を、いつか自分で買って読んでみたいと思っていたが、結局そのまま今に至る状態である。翻訳本が今また人気らしいが、原書はKindleでも販売されているんだったか。Kindleなら場所を取らないので、挑戦してみようか。映画の「インターステラー」も見に行っていない。こちらもビデオででも見たいと思っている。
今後、重力波天文学はますます発展していくだろう。宇宙のことが一つ一つ明らかになっていくのはとても興味深くて楽しい。これからもこういう情報に触れて行きたいものだ。
ところで、今年のノーベル文学賞は、日系英国人のカズオ・イシグロ氏だったようだ。こちらもおめでとうございます。