先週は月曜からノーベル医学・生理学賞受賞者の発表に始まり、物理学賞、化学賞等とノーベル賞の受賞者発表週だった。ぼくは大学で物理を専攻していたこともあり、毎年ノーベル物理学賞の発表を楽しみにしている。発表当日はいつものように定時で仕事を終え、ネットでストックホルムからの中継を見るのが慣例となってしまったようだ。最近はネット配信でこうした受賞の瞬間を見られるのがありがたい。ぼくの学生時代には考えられないことだった。
2019年のノーベル物理学賞受賞者は
James Peebles
Michelle Mayor
Didier Queloz
の3博士であった。
おめでとうございます!!
Peebles氏は現在の宇宙論の構築に貢献したということで、理論的発見に対して賞が与えられたとの話だ。Mayor氏、Queloz氏のお二人は、太陽のような主系列星に属する系外惑星を初めて発見したという功績に対して、賞を与えられたとのこと。
去年はレーザーなどの物性物理分野だったので、今回は宇宙・素粒子分野ではないかと予想されていたが、宇宙分野での受賞となった。受賞に対する説明の際に、宇宙論について「ダークエネルギー」をコーヒー、「暗黒物質」をミルク、「銀河や星など通常の物質」をわずかな砂糖として喩え、これらが混ざり合った全体の宇宙に対する受賞と、その中のわずかな砂糖に対する受賞という話がなかなか興味深かった。少し強引な関係づけのような気もするが...。
さて、日本では日本人が受賞するか注目されるようだが、今年は化学賞で、旭化成フェローの
吉野彰氏
が受賞された。リチウムイオン電池の開発に対する受賞とのことだ。
おめでとうございます。毎度ながら、日本人の受賞は嬉しい。
最近では、研究費の削減等日本の研究レベルに対する危惧が高まっており、政策としても力を入れてないのではないかとの批判があるが、なんとか日本の研究レベルが維持、発展出来ることを祈る。
今年のノーベル物理学賞については、物理学会のサイトに須藤先生による詳しい解説が出ていた。
2019年ノーベル物理学賞は,物理的宇宙論における数々の理論的発見に対してジェームズ・ピーブルズ教授に、 また太陽と似た恒星の周りを公転する太陽系外の惑星の発見に対してミシェル・マイヨール教授とディディエ・ケロー教授の3名が受賞した。知り合いで物理ブログをやっているとねさんのブログも詳しい。
2019年 ノーベル物理学賞はピーブルズ博士、マイヨール博士、ケロー博士に決定!
今後の物理学研究の発展を祈る。