シカゴ大学名誉教授の南部陽一郎先生が、5日にお亡くなりになった。
急性心筋梗塞のためで、享年94歳だったとの事。
昨日仕事から帰って何の気なしにTwitterを開いていたら、大阪大学の橋本先生のツイートが目につき、「南部先生、ありがとうございました」とのつぶやきがなされていた。「まさか、南部先生が...」とは思ったが、調べてみると色々なメディアでご逝去の記事が上がっていた。
大阪大学が昨日発表したばかりの様である。
南部先生と言えば、7年前に小林、益川両先生と共にノーベル物理学賞を受賞され、米国籍ではあるものの、日本人で3人受賞という快挙を成し遂げた話が記憶に刻まれている。戦後間もなくの大阪市立大学理工学部で、理論物理グループの教授だった事は、在学中に故中野董夫先生から聞いて、自分の母校に素晴らしい先生がいらっしゃったと感じていた。学会では10年先を見通す物理学者と言われていた様で、物理学の広範囲にわたって造詣が深い方だった。
ノーベル賞受賞の業績である「自発的対称性の破れ」についても、物性物理の超伝導理論から着想を得て、素粒子物理に適用したと聞いている。
社会人になってから、また物理学を勉強したいと言う思いが再燃したのは、南部先生の受賞とも関係があったと思う。ブルーバックスの「クォーク」や江沢先生編集の「南部陽一郎素粒子論の発展」は非常に印象に残っている著書である。
ご冥福をお祈りしたい。