先週の土曜に、CAE懇話会の解析塾で、非線形構造解析のセミナーが行われた。
これを申し込んだ時には、まだ業務で構造解析をやっていたので、もう少し非線形について学びたかった。構造非線形について学びたいのは変わってないが、現在の業務は流体解析を行っているので、少し趣味的な要素を取り入れて勉強したいと思っている。
今回は、超弾性体の代表例として、ゴムの非線形構造解析を学んだ。ゴムも、なかなか面白い性質を持つ材料であり、ヤング率は金属より遥かに小さいのに、金属同様にほとんど非圧縮と言うのが特徴的である。高分子の構造から見た場合、流体と固体の両方を兼ね備えている様な材料と言うのが印象的だった。
講師の石川さんは、小寺先生の研究室で学位を取った方で、CAE解析塾の初期の頃から講師を務められている。ゴムなどの材料が得意で、結構内容はマニアックな物の様だ。予習をして行かなかったのが失敗だったが、学生時代にやった熱力学や統計力学の話も登場し、もう一度復習しなければならない事を確認した。
思えば、強度解析の業務を結構やっていたが、あまり面白いと思った経験がなく、最近になってこうした固体の連続体力学からの視点で注目すると、業務とは違った面白さがあることが分かって来た。ここ2年ほどは業務も楽しくなって、仕事も充実している。CAE解析塾での内容は、業務と関係ある様な話でも、少し違った視点で見る事を教えられ、アカデミックな雰囲気があるのが好きである。
今回最も印象に残ったのは、高分子構造の統計力学的解釈。低分子の集まりをガウス関数や逆ランジュバン関数を分布関数として歪みと応力の関係を導出したり、熱力学からのエントロピー弾性論で内部エネルギーを求めたりした事が興味深かった。線形のフックの法則が、統計力学によって焼き直しされる所は、実ははじめて聴いた話であり、もう少し自分でも深く掘り下げたいと思っている。
今回も非常に充実していた。終了後は、年始の解析塾で打ち上げで行った居酒屋にて懇親会。
色々と楽しい話も出来て満足した一日だった。