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CAEな日常

一応CAE技術者です。日常の出来事、CAEや趣味の物理、数学などの話題を備忘録として。

宇宙はどこまで美しいのか。

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宇宙はどこまで美しいのか。

先日の土曜日、新宿住友ビルのホールにて朝日カルチャーセンターの講座が開催された。
今回の内容は、IPMU機構長の村山先生による宇宙の話。宇宙は美しいと言うが、それはどういう事なのか、本当に宇宙は美しいのかと言った事について、盛りだくさんの内容で語って頂いた。

この日は午後からの講座で、直前になって会場変更のお知らせが届いた。以前に大栗先生の講座が開かれた時も同じ事があったが、朝日カルチャーセンターの教室が狭くて、希望人数を収容出来なかったのだろう。人気の講座だと、やはり地下の広いホールになる。
伊勢崎からバスで新宿へ。講座を受ける前に、東口近くの「桂花ラーメン」で昼食をとる。
開場が12:30なので、それより少し早めに行ったのだが、すでに並んでいる人もいて人気の高さが伺えた。しばらくすると、ブログでお世話になっている「とね日記」のとねさんが来られた。
会場に入り、前方の席を確保。会場では、いつもオフ会などをご一緒させてもらう物理仲間にも会う事が出来た。

さて、講座開始。
まずは、宇宙は美しいと言うことについて、望遠鏡や衛星の観測器で撮られた惑星、恒星、銀河の写真を見せて頂き、その美しさについて色々と説明をいただいた。天体現象の写真などは、本当に美しい物が多く、ぼくも昔からそうした写真を見るのが好きだった。最近ではカメラも高性能な物となり、中には本当に芸術的とも言える写真がある。
最初のつかみで、もう宇宙で起こっている現象の美しさに魅せられ、講座の話にはまって行った。村山先生も非常に話がうまい。

次に、美しさとは何かについて触れる。物理学者の言う美しさとは何か。
これは、ぼく自身も物理学科だった事や、最近のNHKスペシャルの番組などから、物理学では対称性を大事にする事はわかっていた。物理学で美しいと言うとたいていこの対称性に話が進む。
建築物などを例に、対称性とは何かと言う事についてわかりやすく説明された。特に西洋における建築物や街の作り方には対称性が好んで使われている。日本でも平等院鳳凰堂や、東京タワーなどの例を出され、対称性が大事にされている事を話された。最後はまったく対称性のない美しい東福寺の龍吟庵の写真が出て来たが...。

物理学では対称性に加えて、出来るだけ少ない原理から多様な事象の説明が出来る理論が美しいと言われているらしい。それ故、統一理論と言うのを目指して、物理学者は自然を解明して来た様だ。もともと、天界と地上は別の法則に支配されていると考えられたのが、ニュートンに始まる近代物理学によって、どちらも同じ物理法則で動いていると統一された。さらに、電気や磁気、極微の世界の法則も、同じ原理によって説明されるだろうと言う予測のもとに、次々と理論が進化して来た。現在では、標準理論と言う素粒子の性質等を記述する理論が統一理論の中心として広く用いられている。これを更に進めて、重力まですべてを扱う基本的な原理が存在するのではないかと言われており、統一理論はそれに向かって日々進化を続けているのだろう。

対称性が保たれた状態が理想なのであるが、では現実に我々が目にするものなどはなぜ、雑多なもので満ちあふれているのか。ここで、対称性は現実には破れると言う南部先生の理論を骨子とする話を展開。南部先生の自発的対称性の破れについて、もっとわかりやすい言葉と洗濯物や生物の進化の例を挙げて噛み砕いて説明された。ぼんやりと概念がわかったつもりになっている所に、実例をあげて説明されると、それが比喩であっても結構記憶に定着して確認出来る事が非常に良かった。村山先生の話は、かなり高度な概念を扱っているにもかかわらず、説明の仕方が楽しく身近な例に置き換えて説明されるので、話にのめり込んでしまう。わかったつもりにもなる。

最後に、自然さと言うちょっと主観的な角度からの説明と、最新の装置を用いた最先端の宇宙、素粒子の現状についての話をされた。現在の観測装置の技術はとんでもなく進んでおり、138億年前の宇宙の姿や超新星爆発の詳しい様子、計算機を用いた高エネルギー現象の再現に非常に興奮した。
最先端の物理学の内容にも関わらず、とても面白くわかりやすい話であった。やはり一番印象的だったのは、ぼくが学生時代には考えられなかった様な観測結果なども見せられて、本当に宇宙の様子が手に取るように分かって来たのだなと言う事である。これには非常に衝撃を受けた。

途中休憩を3回挟みながらの長丁場の講義。あれだけ沢山の内容なのに、時間はあっという間に感じられたのは、村山先生の講義の面白さだろうか。
最後にやはり「宇宙は美しい!」という言葉で締めくくられた事に、とても共感した。

終了後は、いつもの仲間と新年のオフ会。今回は女性が2名加わり、非常に楽しい新年会ととなった。バスの時間で途中で退席しなければならなかったのは残念だが、また物理の講座とオフ会に参加して楽しい時間を過ごしたいと思う。

とねさんが詳しい内容を書かれている。
とね日記

オフ会は楽しかったが、少し飲み過ぎで...。
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N. Yokoyama
性別:
非公開
自己紹介:
2011年に再就職するも8月には退職し、また出直そうと10月から新しい職場に就職。現在は派遣技術社員として、機械系CAEの業務に従事しています。
とりあえず、ブログはぼちぼちやっていくつもりです。
以前のブログは
http://ameblo.jp/huitre-va/
(2010年12月終了)
(2013年非日常の出来事として再開)

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