先週の土曜、勤労感謝の日に新宿の朝日カルチャーセンターにてヒッグス粒子に関する講座を受けて来た。物理ブログを書いておられるとねさんらとまたお会いして、楽しい時間を過ごす事が出来た。
この日は午後から2時間にわたる講座のため、伊勢崎から高速バスで新宿に出ようとした。ところが、この日が特別なのかなんと自由席は満席、一つ空席があるという話だったが、席取りをしている方がいて、仕方なくJRで移動する事にした。
予定を変更したので、新宿に着くのはギリギリ。本来なら紀伊國屋書店によってから、昼食をとって参加するはずだったのだが、その時間がないので雑誌だけ購入して会場に向かった。
講師は、首都大学名誉教授の広瀬先生。専門は素粒子実験と言う事で、CERNやブルックヘブン、KEKと言った加速器実験の研究所で研究して来られた方である。主に都立大で教鞭をとっておられたが、最近は放送大学と執筆に忙しいようである。
今年のノーベル物理学賞が、ヒッグス機構に関わる業績に対する受賞であり、CERNでの実験でヒッグス粒子の存在が確定した事によるものだったので、朝日カルチャーセンターとして、緊急の開講だったらしい。
内容は、最初に基礎理論、標準理論の話があり、後半にCERNの加速器やこれからの実験による新しい理論の検証に関する話と続く。
ここ最近、理論物理の啓蒙書をいくつか読んでいた事、大栗先生の講座などを受けていた事もあって標準理論とヒッグス粒子に関する一般的な説明は大体飲み込めたつもりである。物理学の歩みの話を聞きながら、改めて、先人たちの努力がいかに大変なものだったかを認識出来た様に思う。
しかし、前半の標準理論にかなり時間を使ってしまったせいもあり、後半の加速器の話やこれからの実験計画について、じっくりと話が聞けなかったのが非常に残念である。
どちらかと言うと、ぼく自身は後半の内容をじっくりと解説して頂きたかった。まあ、後は先生の本を読むなりして自分なりに理解を深めたいと思っている。講座が終わった後、思わず先生の本を買ってしまった...。まあ、来月は資格試験があるので、それが終わったらじっくり読んでみよう。
日本は欧米にほぼ20年遅れて、素粒子実験の研究が始まった。敗戦によって、戦勝国に加速器実験装置などを取り上げられてしまっていた事もあったと思う。しかし、今やCERNの主要技術などから分かる様に、日本の実験装置の技術は最先端の水準を誇っている。国際リニアコライダーの建設予定地として北上山地が上がっているなど、今後は日本が素粒子物理を牽引して行く立場に立って欲しいと願っている。これまで、ボソンは欧州、フェルミオンは米国などと言われていたが、暗黒物質の解明や超対称性理論の解明に日本の加速器が貢献する事を願っている。
講座修了後は、仲間のとねさん、Mさん、Tさんと「洋麺屋五右衛門」で食事。昼食をとってなかったのでお腹が...。スパゲッティ大盛りのメンズセットで満足。食後にビールを少し。
食事中は、物理の話題などで楽しい時間を過ごす事が出来た。そう言えばとねさんは最近、Zwiebachの弦理論の教科書を読んでおられる。ブログにも書いているが、本格的に勉強しているのがすごい。啓蒙書でなくて、専門書を読める様にしたいものだ。
帰りはバスで帰宅。充実した一日だった。
終了後は五右衛門でタコとヤリイカのペペロンチーノのセット。